謎の解明:大陸系台湾料理店とは、謎料理「コマ焼き」とは [食文化]
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◆はじめに
「大陸系中華」と呼ばれる中華店がある。
本格中華料理を提供する高級中国料理店とも洋食系も提供する町中華とも全く違ったスタイルの中華店です。
その特徴は・・・
1.大陸中国人(中華人民共和国人)が経営し、料理人もフロア係りも中国人で、店内には中国語が飛び交っている。
2.メニューの多くは日本式の中華料理。すなわちケチャップ味の海老チリ、キャベツ主役の回鍋肉、天津飯、中華飯、海老マヨなどである。
3.1人前の飯類と1人前の麺類がセットになったボリューム定食があり、料金が安いハイコスパである。
4.名古屋メシである台湾ラーメンなど、謎の台湾料理がある。
1.の特徴は中国人経営の本格中国料理店にもある特徴ですし、2.の特徴は日本人経営の町中華にある特徴です。
しかし中国人経営でありながら町中華のような日本式中華料理を提供するところが「大陸系中華」の特徴です。
そして3.の超ハイコスパ定食があるところが際立った特徴です。
しかも4.の「謎の台湾料理」があるところが共通している。
こうした中華料理店が「大陸系中華店」です。
そしてその中には「台湾料理」を看板に掲げるお店も多く、「大陸系台湾料理店」とか「謎の台湾料理店」とも呼ばれている。
「大陸系台湾」とは、なんとも論理矛盾しまくりのワードです。
※大陸は中華人民共和国が、台湾は中華民国が、それぞれ実効支配し、両国は対立関係にあることは周知のことです。
しかし「台湾料理」の看板を掲げる店に「台湾ラーメン」があるものだから、”台湾ラーメンは台湾料理だ”と少なからぬ日本人が勘違いしている。
そしてもう1つ、大陸系台湾料理店には「コマ焼き」なる聞き慣れない名のメニューがある。
そのおかげで”コマ焼きは台湾料理だ”という誤情報がネットに満ちている。
とんでもない誤解だとも知らずに。
そこで今回の記事では、以下の2つの点について明らかにしたいと思います。
・大陸系中華店、大陸系台湾料理店とは何者なのか?
・コマ焼きとは何者なのか?